ハスキーを知る

シベリアン・ハスキーの歴史と有名なエピソ-ド

歴史
前回でも触れましたが、シベリアン・ハスキーの起源はシベリア北東部のチェルスキー山脈一帯を原産とする犬種といわれています。そこに住んでいたチュクチ族という先住民によって、シベリアン・ハスキーは非常に長い間飼育され、一つの犬種として固定したものと考えられています。チュクチ族にとって、シベリアン・ハスキーはそりを引く犬であり、猟犬であり、財産でもありました。極限状態の寒さの中、飼育されてきたシベリアン・ハスキーは、寒さに強く、人間との親和性が高い犬へと進化していきました。
1900年代に入り、その評判を聞きつけた人たちの手によりシベリアン・ハスキーはアラスカへと輸入されます。1909年には犬ぞりレースにおいて活躍、その実力に惚れ込んだ著名なマッシャー(犬ぞり使いのこと)によってさらに輸入され、翌1910年のレースでは見事に1位2位を独占し、以後10年にもわたってシベリアン・ハスキーたちが引く犬ぞりは、多くのレースで勝利をもたらしました。特に持久力が必要な地形でのレースでは無類の強さを発揮しました。

有名なエピソード
1925年、アラスカのノームという都市で、ジフテリアが流行し大量の血清と薬が必要となります。当時、アラスカ州全域が激しいブリザードに見舞われていたため、飛行機での輸送ができませんでした。ここでシベリアン・ハスキーの犬ぞりが大活躍します。20の犬ぞりチーム(150頭のそり犬)が、全長約1000㎞を超える距離をリレーし、無事に血清と薬をノームの人々に届け、多くの人命を救いました。この物語は、”1925 Serum Run to Nome”として知られ、1996年のアニメ映画 ”バルト” や2019年のディズニー映画 ”トーゴー” として公開されました。
ちなみにバルトは、リレー最後のチームリーダーを務め、血清を町に持ち込んだことからヒーロー犬として最もよく知られています。またトーゴーは、最後から2番目のチームのリーダー犬で、全チーム中最も長く過酷な距離を走破したヒーロー犬として称えられています。

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