進行性網膜萎縮症とは
進行性網膜萎縮の初期症状は、暗いところ(夕暮れや夜間)で目が見えにくくなります。これは徐々に進行し、最終的には失明してしまいます。しかし、視覚(視力)の低下は、徐々に進行するため、見えないことに順応し、飼い主がなかなか気づかないこともよくあります。また、二次的に白内障を併発することがあります。犬種や進行性網膜萎縮の種類によって進行の速さや発症の時期は異なり、比較的若いうちに盲目となることもあれば、中年齢まである程度の視覚を維持することもあります。
シベリアンハスキ-においては、X性染色体伴性不完全優性とされ、さらに変異の仕方によっていくつかのタイプに分類し、その中のタイプ1にあたります。X連鎖性進行性網膜萎縮1(XLPRA1)といいます。
X連鎖性進行性網膜萎縮1(XLPRA1)
遅発性のPRA。XLPRA1タイプはXLPRA2タイプより比較的症状が軽度とされていますが、約3-5歳で発症、その後重症化すると網膜変性が進行します。雌犬では、キャリアの場合も症状を示します。これは個々の細胞が、メスのもつX性染色体の2本のうち、1本だけをえらんで使う為です。つまり、変異遺伝子を含む染色体を選んで使用する視細胞は侵されます。結果的に、部分的な網膜の変性が認められるようになります。
犬舎の取り組み
進行性網膜萎縮症と一口に言っても、犬種によって原因となる遺伝子が異なります。シベリアンハスキ-においては、PRGR遺伝子の変異が原因とされ、”X連鎖性進行性網膜萎縮1(XLPRA1)”と分類されています。現在までに有効な治療法は確立されておらず、予防法もありません。犬舎として次世代に遺伝子を引き継がせない為、交配時には必ず親(両親)となるシベリアンハスキ-について検査を行い、問題のない事を確認しています。